水質の酸性、アルカリ性の程度を示す指標です。ペーハーあるいはピーエッチと読みます。語源はラテン語の pondus Hydrogenii、つまり重量単位である pound(英語)と水素(hydrogen)から成り、水素指数の略号です。
元々はペーハーと呼ばれていましたが、昭和32年にpHがJIS化される時にピ−エッチに統一されました。ピンときませんがね、役人の仕事です。
pHの値は0〜14まであり、真ん中の7が中性、7よ
り小さくなるほど酸性が強く、7より大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
また、ちょっとこうるさい話になりますが、pHを理解していただくために化学の話をします。がまんして読んでください。
純水は酸素(O)1原子と水素(H)2原子から構成され、H2Oで表されます。この水分子は電気的には中性ですが、何らかの理由で電子が不足あるいは余剰になることで、水分子のごく一部が正(水素イオン:H+)もしくは負(水酸イオン:0H-)に帯電します。
pHの指数は次式で表されます。つまり水素イオン濃度の逆数を常用対数で示したものです。
pH=−log10〔H+〕
理系でない方はもう拒絶反応でしょうね。pHの数値は1違うと10倍違うと理解してください。pH8は中性のpH7に対して水素イオンが10倍も過剰だと言うことです。pHの数値は実数ではないので1違うことごとに1桁(10倍)ずつ水素イオンが過剰になったり、水酸イオンが過剰になったりします。重みの違いだけイメージしてください。
純水または中性溶液ではpHが7になる理由は説明しないでおきますね。
では、このようなpHはどんな意味があるのでしょうか?一般に水の中にはさまざまな物質が溶け込んでいます。カルシウム(Ca)やマグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、塩素(Cl)、二酸化炭素(CO2)などです。これらはイオン化して水素イオンあるいは水酸イオンと反応します。そのために水素イオンが不足したり過剰になったりして、水酸イオンとのバランスがくずれ、pHが動きます。つまり、pHによって水に溶け込んだ物質のプラスとマイナスのバランスを知ることができます。
pHはホームセンターや観賞魚を扱っているペットショップなどで手に入り、簡単に測定することができます。興味を覚えた方はあなたの家の水道水のpHを一度測ってみてはいかがですか?
人間の体のpHは7.35〜7.45ののごく弱いアルカリ性を示します。でも、食品やアルカリ水を飲んだからといってこのpHに影響することなど決してありません。なぜなら、胃にはpHが1〜2.5という本体が塩酸である胃酸が存在します。どんなものを口に入れようが、食品のpHが体のpHに影響しません。それどころかpHの高いアルカリ水など胃酸を中和する方向に動いていいことなど何もないと私は思います。このことはまた後ほど、水ビジネスのウソで触れたいと思います。
これが水道水の最大の問題物質です。塩素は水道法という法律に則って投入されます。いかなる蛇口でも残留塩素が0.1mg/リットル以上検出されるよう投入されます。従って浄水場から最も遠い蛇口でもこの基準を満たすよう塩素が投入されるため、浄水場に近い家屋ではもっと濃度が高いということです。
一体、塩素は何のために投入されるのでしょうか? 殺菌のためだというのはご存知ですね。プールの水が強い刺激臭がするのも塩素で、殺菌が目的です。
塩素は反応性がとても強い薬品で、だから大腸菌などが紛れ込まないよう殺菌目的で利用されています。発がん性が問題視されるトリハロメタンも、水道水に紛れ込んだ落ち葉や昆虫、小動物の死骸などから出る有機物と次亜塩素が反応することが発生原因です。
飲むには厄介なもので除去しなければなりません。飲用以外にも目の充血、毛髪の痛み、アトピーの悪化など皮膚・粘膜への悪影響が懸念されます。シャワーとして利用した時に吸引され肺胞に届く塩素も気になりますね。
硬度とは水中に溶存するカルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量を、これに対応する炭酸カルシウムに置換して水1リットルにつき何mg入っているかで表したものです。これは総硬度と呼ばれるもので、一般に硬度と言えば総硬度のことです。
硬度はなぜ重要なのでしょう?それはおいしさに直結しているのです。純水はまじりけのないピュアな水ですが、味はしません。味を決定する要因はいくつかありますが、最も大きな因子が硬度だと思います。
一般に硬水は引き締まった味覚が、軟水は優しく広がる感じがあると言われます。日本人が好むのは硬度50前後の軟水と言われ、一方、欧米では飲料水からミネラルの多くを摂取し、身体にいい水なら硬水と言えます。ただ、ミネラルが多くなると苦味や渋みを感じます。
料理のおいしさにも水の硬度は影響します。炊飯は軟水で(ミネラルが米の吸水をじゃまする)、味噌汁も軟水で(ミネラルが旨み成分と反応する)、肉を使った煮込みは硬水で(アクの原因であるヘモグロビンがミネラルと反応してくれる)、と言われます。
日本酒の辛口、甘口も実は原水の硬度の影響が大きいのです。一般に硬水の仕込水を使えば辛口の酒が、軟水を使えば甘口の酒ができると言われます。灘の宮水は硬水、伏見の伏水は軟水です。これは酵母がミネラルを栄養分にして発酵が進むため、味が影響を受けるのです。
